離縁請求の訴え(裁判)
養子縁組をし、その後、離縁したいとき、養親養子の一方と連絡が取れなくなったときは、どのようにしたらよいでしょうか。
この場合は、離縁請求の訴え(裁判)を当事者の一方どちらかの住所地を管轄する家庭裁判所に提起します。
また、相手方が、現在、その行方が分からないときは、公示催告の申立てをします。
公示催告の申立てをする場合、相手方の所在地を確認できないことを証明する必要があります。相手方が最後に住んでいたであろう住民票の住所地や居所に出向いて、調査し、調査報告書を作成し、家庭裁判所に提出します。
相手方の所在を調査する人は、特に、限定されていないので、養子が訴えを提起する場合、この養子自身でも調査でき、養子の名で、調査報告書を作成できます。
訴状の内容としては、特に、離縁したい理由を詳細に説明し、できれば、養親(または養子)と連絡が取れなくなり、養親(または養子)の生死が3年以上、不明となったときに、訴えを提起するのがよいでしょう。
裁判で離縁をする場合の条件は、次のとおりです。
民法第814条 縁組の当事者の一方は、次に掲げる場合に限り、離縁の訴えを提起することができる。
一 他の一方から悪意で遺棄されたとき。
二 他の一方の生死が3年以上明らかでないとき。
三 その他縁組を継続し難い重大な事由があるとき。
2 第770条第2項の規定は、前項第1号及び第2号に掲げる場合について準用する。
さらに、家庭裁判所の場合、訴えを提起する本人の陳述書も提出する必要があります。
証拠書類には、証拠説明書も作成する必要があります。
相手方の所在が不明で、公示催告を申立てている場合の裁判の審議、回数は、通常、2回で終了します。
1回目は、訴えを提起した本人が、裁判官の面前で、宣誓し、裁判官の質問に答える、ということが行われます。
2回目は、特に、相手方が出頭しない限り、判決が言い渡されます。
この判決の言い渡しには、当事者が出頭しない場合であっても、行われます。
当事者が出頭しない場合は、判決書が裁判所から郵送されます。
離縁の判決の言い渡しがあり、判決書が届きましたら、次の手続が必要です。
判決が出たといって、安心してはいけません。
判決が確定しましたら、
次の証明書を裁判所で取得します。
① 省略判決書
② 確定証明書
これを役所に持参し、戸籍の内容を書き換えてもらいます。
役所に届け出た2週間くらい後で、本籍地の役所に戸籍証明書を請求し、戸籍の内容が書き換えられていることを確認しましょう。