登記上の地番
一般的な住所と登記上の住所の違いは、なんですか?
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「住所」という意味では、同じです。
まず、定義のご説明をいたします。
「住所」は、市区町村役場が、住居表示として定めたものです。
この「住所」は、住民票に記載されている住所と同じです。
郵便屋さんは、「住所」に基づいて配達します。
「登記上の住所」は、専門職が定義する場合は、不動産(土地・建物)の登記記録の所有者欄に記載されている所有者(または共有者)の「住所」のことをいいます。(「住所」は、住民票に記載されている住所です。)
ただし、所有者の住所の変更があった場合、「登記上の住所」が自動的に変更されるわけではなく、基本的に、所有者が住所変更の登記申請をしない限りは、その住所が変更されません。
「登記上の住所」が、所有者の現在の住所とは限らない、ということもあります。
結局、上記質問の「一般的な住所」と「登記上の住所」は、市区町村役場が住居表示として定めたという意味で、同じ、ということになります。
次に、「登記上の住所」と「登記上の地番(または所在地)」の違いについて
「登記上の住所」は、住民票に記載されている所有者(または共有者)の「住所」です。
「登記上の地番」は、土地の場合、登記記録には、次の表示が最初に記載されています。
①所在 ②地番 ③地目 ④地積
この②の地番のことを「登記上の地番」といいます。
この「地番」は、「住所」とはその意味が異なります。
建物の場合、登記記録には、次の表示が最初に記載されています。
①所在 ②家屋番号 ③種類 ④構造 ⑤床面積
建物の場合は、「所在」の中に、地番が記載されます。
土地の場合は、「所在」の中には地番が記載されず、独立して「地番」の欄が設けられています。
登記上の「地番」は、登記制度(地租改正)が導入された100年以上前から延々と引き継がれている地番です。
ですから、地番の中には、100年以上変わらない地番もあります。
土地は、例えば、二つの土地を一つにしたり(合筆)、一つの土地を二つに分けたり(分筆)する場合があります。
そうしますと、地番が無くなったり、新たに地番(枝番のある)ができたりします。
基本となる地番は、100年以上前から引き継いでいる地番を現在も使用していることになります。
(ただし、区画整理などを行うことによって、まったく違う「地番」が定められる場合があります。)
「住所」は、特に、その番号(○番○号、○番地○)は、市区町村役場が、住居表示として、使いやすいように、市区町村役場の判断で変更することができるものです。
「登記上の地番」は、国が管理しているため、これを容易に変更することができないと思われます。また、変更するメリットもないと思います。かえって、変更した場合のデメリットが大きいと思われます。
(ただし、区画整理などを行うことによって、まったく違う「地番」が定められる場合があります。)
そこで、「住所」から「登記上の地番」を見つけるためには、「登記上の地番」から「住所」を見つけるためには、「住所」と「登記上の地番」を一致させる作業が必要となります。
不動産に係る仕事をして初めてこのことを知ることになります。
一番便利な方法は、次のとおりです。
①登記所に置いてある誰でも閲覧可能な「ブルーマップ」という大きな簿冊の地図があります。
この地図は、「住所」と大まかな「登記上の地番」が記載されています。
黒、青の違いでわかります。
②次に、登記所には「公図」があり、この証明書を取得して、「ブルーマップ」と位置関係を確認します。
③「登記上の地番」の登記記録(事項)証明書を取得するには、「公図」に記載されている「地番」でこの証明書の請求をします。