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養育費回収の方法 NO.2(相手の財産を特定して差押)

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養育費回収の方法 NO.2(相手の財産を特定して差押)

ここでは、養育費の回収方法(強制執行の差押)について、説明します。2回に分けて説明します。
前回は、養育費の回収方法の基本説明をしました。養育費回収の方法 NO.1(基本説明)
今回2回目は、養育費の回収方法(強制執行の差押)について、改正された民事執行法が令和2年4月から施行されましたので、それについて説明します。

前回のおさらいです。
養育費を回収するには、まず、相手の財産を差し押さえるための前段階として、養育費についての取り決めをする必要があります。
この取り決めは、差し押さえを申し立てることができるように、法律上、確かなものでなければなりません。
この確かなものが、債務名義です。
この債務名義を得るには、離婚に際して、公証人役場で公正証書として作成してもらうか、家庭裁判所の離婚調停で養育費の取り決めをします。
離婚に際して、口約束や単なる書面ではなく、最低限、養育費についての公正証書か、家庭裁判所での調停で養育費の取り決めをします。調停がうまくいかなければ、審判か、離婚判決で決めます。

そのうえで、養育費の支払いがないのであれば、次の段階に入ります。
それが相手の財産に対する差し押さえです。
この差し押さえでは、従来、相手の財産を具体的に特定することが困難なことが多かったため、養育費を実際に回収することが困難でした。

それが、改正された民事執行法により、令和2年4月からこれが比較的容易となりました。
以下のことが適用されるのは、養育費の回収だけではなく、一般の金銭債権の回収にも適用されます。
ただし、改正民事執行法の一部、債務者の勤務先に関する情報取得手続は、養育費と生命・身体の侵害による損害賠償の債権者に限定されます。

改正のポイントは次のとおりです。

  1. 債務者の財産開示手続きが強化されたこと
    改正前からあったことですが、相手を裁判所に呼び出して、裁判官の前で相手の財産を明らかにする手続です。
    改正前はこれが緩かったのですが、これが強化されました。
  2. 第三者からの情報取得手続きの新設
    相手の財産を知る手掛かりが比較的簡単になったことです。裁判所や金融機関などが協力してくれることになりました。

それでは、養育費の回収(強制執行の差押)に限定して、順を追って説明します。
1)まずは、次の書類を準備します。

  1. 債務名義:債務名義の正本が必要です。
    債務名義の例としては次のものがあります。
    家庭裁判所で作成した調停調書、審判書、判決、仮執行宣言付き判決。公証人役場で作成した公正証書
  2. 執行文(執行していいですよという文書)
  3. 債務名義正本(謄本)の送達証明書(審判書の場合は、確定証明書も必要です。)

2)次に、相手の住民票を取得します。住所地の不動産の登記事項証明書を取得します。もし、相手が不動産を所有していなかった場合の財産調査結果報告書を作成するためにも必要です。
相手が住所地の不動産を所有していれば、その不動産に対して強制執行(差し押さえ)の申立てをします。
相手が、住所地の不動産を所有していなければ、次の段階に入ります。

3)次に、第三者からの情報取得手続のうち、相手の預貯金などに関する情報取得手続きを申し立てます。ここからは、相手の住所地を管轄する地方裁判所に対してします。
これは、相手の預金、貯金その他がありますが、通常は、金融機関の預金、ゆうちょ銀行の貯金について、情報取得の申立てをします。
先に、相手の預貯金の情報を取得して、差し押さえの申立てをします。預貯金は簡単に引き出されてしまうからです。
ゆうちょ銀行以外の金融機関については、日本全国の金融機関のうち、どれかを特定する必要があります。すべてをまとめて情報取得の申立てができません。
これ、少し難しいかもしれません。

4)次に、債務者の財産開示手続きの申立てをします。
相手を裁判所に呼び出して、裁判官の前で相手の財産を明らかにする手続です。
この場合、相手の勤務先や不動産、株式などを明らかにすることになります。
もし、相手が裁判所に出頭しなかった場合や虚偽の陳述をした場合、刑事罰が科せられる可能性があります。この場合、相手は前科者となります。最大6か月の懲役または最大50万円の罰金が科せられてしまいます。これは、債権者が刑事告訴・告発をすることになります。

5)それでも、相手の財産が分からない場合は、相手の勤務先や不動産、株式などの情報取得の申立てをします。
不動産の情報取得の申立ては、来年2021年から実施のようです。

これらの手続が終了して、相手の財産が明らかになったのち、相手の財産に対して、差し押さえの申立てをします。
これで、養育費の回収を実行します。

以上、養育費の回収方法(強制執行の差押)について、説明しました。

参照
養育費回収の方法 NO.1(基本説明)

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